トップページ > 研究内容 >
toppage

research

seminar

member

access

photo

link

helpwanted

走査トンネル顕微/分光法(STM/STS)

 走査トンネル顕微鏡Scanning Tunneling Microscope (STM)は、物質表面の個々の原子や電子状態を観察することができる最先端の顕微鏡です。先端が原子レベルで鋭く尖った鋭くとがった探針を試料表面すれすれ(約1nm)まで近づけて両者に電位差Vをつけると、互いに接触していなくてもトンネル効果(下図)によって探針−試料間に電流が流れます。

STM

 このときトンネル電流Iは以下のように表すことができます。

STM_eq
STM_eq2

ここで,Eは電子のエネルギー,Tはトンネル確率,ρtとρsは探針と試料表面の電子状態密度,zは探針−試料表面距離,φはトンネル障壁の大きさです。(2)式から分かるように,トンネル電流は探針−試料間の距離と試料の電子状態密度に非常に敏感です。ですから探針で表面をなぞり(走査)ながらトンネル電流を測定すれば、試料表面の原子配列を観測することができます。

 (1)式をVで微分した微分トンネルコンダクタンスdI/dV

STM_eq3

となってρsに比例します。走査しながら微分トンネルコンダクタンスを測定すれば,試料表面の電子状態密度をマッピングすることができます。これが走査トンネル顕微法(STS)と呼ばれる原子スケールの位置分解能をもつ電子分光法です。STSは強磁場中でも行うことができる強力な分光手段です。

>> ページトップ


gelb
copyright